「坂本九さんの新曲、『上を向いて歩こう』です」

ラジオから流れてきた音楽に合わせて、みんなで床を踏み続ける。
「サチも一緒にやろう」
「…うん」

やがて全員で一つの輪になり、音楽に唱和していく。

「さあ、もっと町を明るくするで!」
「まかしとき!」
「台風なんかに負けへんで!」
「もうこわないで!」
「うん!」
「みんなで頑張ろう!」
「おー!」

歌が続く中、舞台は暗くなっていき、4隅の会話へ。

それからしばらくしてみんな家に帰れたこと、町はめちゃくちゃになっていたこと、翌日から片付けが始まったことをマチコ、カズコは語った。
「ここの集会所で炊き出しをしててな、イクコもお母さんと手伝いに来てた…」
「そこに、裏の山が、急に崩れてきて…」
「…イクコが発見された時には、もう息をしてへんかったんやて。」