ナガタとヨシノがキヌエを連れて帰って来た。
怪我をしているようだ。

中学生の1人、フミと目が合う。
「あ…フミ…さん?よかった!」
フミは実の母親が亡くなり、去年後妻となったキヌエと暮らすのがしんどくなり、家出をしてきたらしい。

「うちかて違うお母さんやもん」
「私のとこも…いっしょ」
「他にも学校にまだまだいるで」
「そやけどみんな友達やで」
小学生たちの言葉に、フミの気持ちもほどけていく。

5年前に母親が亡くなったこと、兄が東京の大学に行き、キヌエと父が再婚、父が出張で2ヶ月2人きりになり、居たたまれなくなったことを静かに語る。

「まだ子どもを産んだこともないし、どうやったらフミさんのお母さんになれるか焦ってて…ごめんなさい」
「あやまらんといてよ、逃げたんは私なんや」

黙ってしまった2人に、自身も2人目の父親を持つヨシノは、親子ではなく家族になればいいと語る。
「大好きな時もあれば、大嫌いになる時もあって…それでもいつも相手のこと考えてる。」

キヌエとフミの間の空気が溶けていく。
「ありがとう」
「…ありがとう」